雛人形の衣裳-黄櫨染(こうろぜん)

黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)
天皇が皇室祭儀の恒例臨時を通じて最も多く用いられる御装束で、色は黄櫨染(こうろせん)。
黄櫨染は天位の象徴色として、盛夏の太陽の輝きを表したものといわれています。
弘仁11年に天皇が晴の儀式に着用する袍の色と定められ、天皇以外は用いることができない絶対禁色とされました。
黄櫨染は櫨(はぜ)の樹皮と蘇芳から染め出される色で、熟練の染師でも毎回同じ色に染めるのが難しいほどの難易度の高い色です。

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黄櫨染御袍の文様、桐竹鳳凰(きりたけほうおう)
中国の太古に黄帝が南園に斎をしていた時、庭上の桐樹に鳳凰が竹の実をくわえてとまったという故事により作られたものです。鳳凰は地上の梧桐に栖み、六十年に一度稔る竹の実を食して現世に栖まいます。
黄帝は聖天子とされ、鳳凰は聖人の位にあり、天下泰平の時に出る瑞鳥といわれたことから、天皇の御服の文様とされました。
現在も天皇御即位式等にお召しになられる由緒ある文様です。
構成に、君主が仁のある政治を行うときに現れる瑞獣の麒麟を加えて桐竹鳳凰麒麟とし、筥形の構図に纏められました。

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平成31年(西暦2019年)5月1日に皇太子様が即位されます。
皇位継承の証しである剣などを新天皇に引き継ぐ「剣璽等承継の儀」は即位日の19年5月1日に開かれ、承継の儀の後、同じ日に新天皇が即位後に初めて三権の長らに会う「即位後朝見の儀」をされます。
10月に即位を公式に示す「即位礼正殿の儀」が催され、オープンカーで祝福を受ける「祝賀御列の儀」があります。
即位を祝う祝宴「饗宴の儀」は同日かその後に催されるようです。

即位の礼 平成元年(1989年)11月12日
即位礼正殿の儀の装束。天皇陛下は黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)をお召になっていらっしゃいます。

YouTube即位の礼動画
即位の礼


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