破魔弓の部位、名称

破魔弓の部位、名称

1)弓本体 
黒塗り、木の風合いを生かした木目塗り、竹製等ございます。ほとんどが木製です。梨地蒔絵を施した弓もあります。

2)弓弦(ゆみづる)
一本ずつ職人が巻きつけています。

3)矢尻
矢の先端が矢尻です。破魔弓では、金属の他に木製、樹脂製、金箔貼りを施した矢尻もあります。
矢尻のデザインも様々ございます。

4)矢頭(やがしら)または矢筈(やはず)
矢を射る際に、弓を引く側のことを矢頭と言います。木製か、樹脂で作られた矢頭が中心ですが、先割れ(弓弦にひっかけるよう中心が割れているもの)の矢頭もあります。
※写真の矢頭は先割れタイプです。

5)矢羽根
主に使われる羽根は、雉(きじ)、金鶏鳥、銀鶏鳥で、その他にも白鷹や梟などの羽根を使用したものもあります。

6)毛巻き・糸巻き
毛巻きとは、水鳥の胸の毛を使用し、一方向に渦巻き状に矢棒を包んでいます。
糸巻きは矢羽根を止める役割があります。毛巻き・糸巻きともに職人がひとつひとつ手作業で巻きつけます。

7)矢棒
矢棒の素材は、木製か樹脂製です。色柄は、黒塗り、溜塗り(ためぬり)、竹柄などがあります。

9)籐巻き
弓に巻きつけられた籐(とう)のことで、隙間なく巻きつけたり、クロスで巻きつけたり、間隔でバランスをとったり、熟練の職人の手作業によって巻かれています。

8)握り
握りは、弓矢を射る際に文字通り弓を握るところ。皮などを貼ったり、模様が施されている破魔弓もあります。

10)飾り房
破魔弓ごとに様々な色や模様の組み紐を、矢や弓を包んで正面で結んでいます。菊結びや梅結び、総角(あげまき)結び等、伝統の結び方で破魔弓を象徴する装飾をつくっています。

11)飾り台
弓と矢を支えるための飾り台です。

12)バック(ケース背板)
彫金や和紙、金箔押し、絵柄付きなどバックにも様々な種類があります。

13)ガラスケース
面取りガラスを使用したケースもあります。黒塗りや木目塗り、黒檀や鉄刀木等の銘木、欅、竹、桐などケースによって雰囲気は大きく変わります。

破魔弓ケースの部位

知ってお得な節句人形豆知識

破魔弓の種類

ケースは塗ってあるもの(黒塗り艶アリ 艶ナシ 朱塗り等)と木目を生かしたもの(桐、欅、竹、杉、花梨、鉄刀木、紫檀、黒檀、黄金檀等)があります。またバックに本金箔(金澤箔、川俣箔等)を貼ったり本金盛上げ蒔絵や金彩蒔絵をした豪華な仕上げのもございます。

また、通常は板ガラスを使用していますが、面取りガラスを使用している破魔弓もあります。面取りガラスはガラスが厚いので柱の溝に入れるため隅を薄く削ってあります。ガラスの隅に筋が見えるのはこの為です。最近では、軽量で割れないアクリルケースも人気です。加工がしやすいので、パノラマ仕様や六角ケースに使われている場合があります。

弓は合成樹脂、木製、竹製がありますが竹製を除いて塗ってあるので良くわかりませんが脇から見て筋の見えるのは合成樹脂です。塗りも本漆や梨地仕上げをした豪華な物もあります。また巻いてある物もビニール、綿、籐の違いがあります。
矢の素材は合成樹脂のパイプ、木製、竹製があります。鏃(やじり)は合成樹脂、金属、木製があり、本金メッキや金箔押しの豪華な仕上げの物もあります。
矢羽根は安価な物は鶏を染めた物もありますが、色々な鳥の羽が使われています。

破魔弓の羽根

銘木(唐木)の破魔弓

唐木という名称は、昔「唐から来た木材」或いは、「唐の工芸品に用いられた」という意味で、当時我が国に入荷した高級家具・工芸品をその頃中国を統治に唐によって統治されていたため「唐の木」唐木と呼ばれていました。
実際に唐木は、熱帯及び亜熱帯地方の一部に産する世界で最も良質の木で、高級家具及び装飾用に適する銘木のことです。唐木の代表的なものには、紫檀・黒檀・鉄刀木がありますが、その材質の良さは硬くて強靭、半永久的な耐久力、緻密さ、油脂感触の出る光沢などにより古くから珍重されています。また、近年材料としての品薄の状態となり、その希少価値も一層高まっています。

黒檀の破魔弓


黒檀は世界で最も良質の木とも言われており、正倉院の宝物にも黒檀が見られるほど古来より珍重され、乾燥性があり、虫に喰われにくい事から朽ちることが無いと言われています。材の色は鮮赤色や紫色を帯びた赤色です。重硬で肌色はやや粗いものの耐久性、保存性が非常に高く、磨けば優雅な気品のある独特の光沢が出て美しいです。
黒檀の破魔弓

鉄刀木の破魔弓


美しい斑模様が特徴の唐木三大銘木のひとつです。濃褐色の独特の木目は非常に個性的で、縞模様が細かく入り美しく、材質は堅牢で重厚で、耐久性があります。木材の重くて硬い様が、まるで「鉄の刀のよう」ということから「鉄刀木」の字が当てられています。
鉄刀木の破魔弓

花梨の破魔弓


材の色や鮮赤色や紫色を帯びた赤色です。木目はやや交錯または波状です。重硬で肌目はやや粗いものの耐久性・保存性は高く、磨けば良く光沢が出て美しいです。
花梨の破魔弓

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破魔弓を飾る時期、しまう時期

破魔弓の飾る時期

破魔弓を飾る時期
平安時代の頃より、12月13日は「正月事始め」と言われ、お正月に降りてくる年神様・祖霊を迎えるために、様々な準備を始める日とされていました。
「一夜飾り(12/31に飾ること)」や「苦立て(12/29に飾ること)」は忌み嫌われますのでこれらの日は避けて飾ります。
お子様の初正月をお迎えするためには、12月中旬頃にはお飾り頂くことをおすすめいたします。 (地域により風習などが異なります)

破魔弓をしまう時期

破魔弓(破魔矢)をしまう時期は、昔から小正月(一月十五日頃)に左義長(どんど焼き)という行事で注連縄や松飾、書初め、羽根を突いて壊れた羽子板などを焼く習慣がありましたので、十五日前後の休日にしまう方が多いようです。(地域によって異なります)

初正月の場合は、12月中旬頃から正月の月である1月下旬まで長く飾られてても良いでしょう。
お子様の無病息災、魔除けを祈る縁起物ですので、一年中飾っておくのも良いでしょう。
しまわれた場合も、五月人形の時期には脇飾りとして一緒に飾ると、より華やかにお祝いが出来ます。

初正月とは

初正月とはお子様が生まれて初めて迎える新年のことです。年末になると厄除けとして、赤ちゃんの祖父母や、おじやおば、仲人、親しい友人などが、男の子には破魔弓を贈るという美しい習慣があります。

風習やしきたりは、地域により異なりますので、お住まいの地域の風習にあわせて飾って下さい。

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破魔弓の由来

明仁親王誕生時に行われた読書鳴弦の儀奉仕員
弓には武勇を表し、さらに邪気をはらい、眼に見えない精霊を退散させる力のあるものという意味と、人間には知ることの出来ない方向と距離を判定する占いの道具としての意味があります。神社などでは平安の頃より魔除けの意味での破魔弓神事や、年占い神事が行われていました。「はま」は弓で射る的、またはその競技を意味し、後に「破魔」の字をあて魔を射ると解されるようになりました。
また、宮中では、弓に矢をつがえずに弦を引き音を鳴らす事により気を祓う鳴弦の儀(めいげんのぎ)が平安時代に、皇太子誕生儀礼として始まりました。

これらの神事が一般に広まり、現在の形になってきたのは鎌倉時代以降と言われています。
各地の城下町を中心に武家や豪商の間で、破魔弓を飾って悪魔を追い払い、家内安全を祈るようになりました。
初正月に男の子をお祝いする風習は各地に元々あり、男児の玩具弓矢と結びつき、雄々しく、力強く、健やかに育てとの願いをこめて破魔弓は飾られるようになりました。

破魔弓は、文字通り魔除けと厄払いのお守りとして、お子様の身を護るための防具として贈りあう習慣が綿々と受け継がれています。

※写真は、明仁親王(今上天皇)誕生時に行われた読書鳴弦の儀奉仕員の写真です。弓を持たれた方が4名いらっしゃいます。

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